最新のデジタルトランスフォーメーション(DX)事例まとめ

DX

アナログな仕事で無駄が多い、利益が上がらない・・・現状のビジネスに課題を感じている方も多いですよね。より良い仕事のやり方があるのに、従来のやり方に固執するのはもったいないです。激動の時代だからこそ、新しい仕事のやり方を模索するべきでしょう。

新たなステージを目指す企業に求められているのが、「デジタルトランスフォーメーション」という概念です。デジタル技術は日々進歩しており、従来ではできなかったことも簡単に実現できるようになりつつあります。そのようなデジタル技術を使って仕事のやり方を抜本的に見直すことで、企業の課題を解決しさらなる発展につながります。

そんなデジタルトランスフォーメーションは多くの企業が取り組んでおり、成功した事例も沢山あります。新しいことを始めるなら、このような事例を参考にすることが成功への一番の近道になるに違いありませんそこで今回は、デジタルトランスフォーメーションの最新企業事例についてを一通り押さえましょう。

デジタルトランスフォーメーション(DX)とは

デジタルトランスフォーメーション(DX)とは、デジタル技術を活用することで企業のビジネスモデルやあり方を変革することです。「英語にするとDigital Transformationなのに、なぜDX?」と疑問に思う方もいますよね。英語圏では「trans」を省略する時に「X」を使うことが多いため、DXと略されています。

AI、IoT、VRなどデジタル技術は急速に進化し、次々と新しい技術が生み出されています。こうした技術をうまく企業活動に取り入れることで従来抱えていた課題を解決し、企業の利益につながるでしょう。実際のところ、デジタルトランスフォーメーションの取り組みによって大きな成果を得られた企業の事例も沢山あります。

また、デジタルトランスフォーメーションは企業だけでなく、政府も推進しています。実際のところ2020年には、経済産業省が「デジタルトランスフォーメーションの加速に向けた研究会」を立ち上げました。このようにデジタルトランスフォーメーションの重要性は全国的に認識されており、現代の企業が生き抜くための鍵といえます。

デジタルトランスフォーメーション(DX)を進める上で発生しがちな課題

デジタルトランスフォーメーションを企業活動に取り入れたい方も多いですよね。しかし、デジタルトランスフォーメーションは企業にとって影響が大きい取り組みのため、課題が発生することも。ここでは、企業がデジタルトランスフォーメーションを進める上で発生しやすい課題2つとそれらの対策について、解説します。

課題1:社員の理解を得られない

デジタルトランスフォーメーションを取り入れると、当然社員にも影響が生まれます。今までの仕事のやり方に慣れている社員の中には、「余計なことをしないで欲しい」と不満を感じる方もいるでしょう。適切な対応をしないと社員の満足度低下につながり、企業にとってマイナスに終わってしまう恐れもあります。

どのような「変革」であっても、最初のうちは慣れずに苦労するでしょう。大切なことはデジタルトランスフォーメーションの取り組みについて、社員にとってのメリットや最終目標を全社的に周知することです。最終目標が明確でメリットが分かれば、取り組み初期に苦労があったとしても社員の理解を得られやすくなります。

課題2:企業の利益を優先し過ぎると、顧客離れのリスクがある

デジタルトランスフォーメーションをうまく取り入れれば、企業にとっては人件費削減や生産性向上などのメリットがあります。しかし、デジタルトランスフォーメーションによるビジネスモデルの変革は、顧客への影響も考慮しなければなりません。顧客のニーズを正確に把握したうえでの変革でなければ、顧客満足度が低下し顧客離れのリスクも。

顧客離れを起こしてしまっては最終的に企業の利益拡大につながらず、本末転倒です。デジタルトランスフォーメーションを取り入れる場合は必ず、「その変革によって顧客にどのようなメリットがあるか」を考えましょう。そして、明確にそのメリットを感じられるような形で顧客に新しいビジネスモデルを提示することが大切です。

デジタルトランスフォーメーション(DX)に成功した企業の事例

前述のとおり、デジタルトランスフォーメーションによって大きな成果を得られた企業の事例は少なくありません。ここではデジタルトランスフォーメーションの代表的な事例を6つ、分野別にご紹介します。

製造業(ミスミグループ):AIにより見積もりや発注を自動化

「ミスミグループ」は、電子機器の部品などを製造している企業です。こちらの企業では、部品製造にあたり外部業者への見積もりや発注に手間が大きくかかってしまう、という課題がありました。

そこで取り組んだのが、AIにより自動で見積もりや発注ができる「meviy」というシステムの開発、導入です。システム開には部品の形から納期などを見積もる技術が必要でしたが、社にはこの技術がありませんでした。そのため米諸を訪問して技術を取り入れて、それを元に情報システム部主導で開、社展開しました。

その結果、見積もりや発注での人件費削減はもちろん、リードタイムの短縮により顧客満足度の向上にも成功しました。

農業(オプティム):IoTの導入で低農薬農法を可能に

「オプティム」は、デジタル技術によるソリューション事業を行っている企業です。こちらの企業は、広い農地の中から農薬を散布するべき場所を探し出すのが難しいという、従来の農業が抱える課題に着目しました。

そこでオプティムの開発した技術はIoTのドローンを農地に巡回させ、虫食いの自動検出・農薬散布を行うというものです。オプティムはこの技術を農家に提供する代わりに付加値の付いた作物を買い取り、デパトなどで販しました。革新的なビジネスモデルですが、すでに1,700を超える農家がパトナとしてこの技術を利用しています。

この技術によって農業従事者の人件費削減や農薬の過剰散布防止を実現し、農業の新しいスタイルを世に広めました。

運輸業(日本交通):AIによる配車で稼働率アップ

「日本交通」は、ハイヤーやタクシーによる旅客運輸サービスを提供している企業です。タクシーの需要は地域や時期によって変動するため、配車のバランス調整が難しいという課題がありました。

そこで導入したのが、天気や交通機関の遅延情報を元にタクシーの需要をAIにより予測するという技術です。に搭載された用タブレット端末からタクシの需要情報を取得することで、経験の少ない務員でも客を探しやすくなります。

この技術によって需要が高い地域にタクシーを重点的に配車できるようになり、タクシーの稼働率を大幅に向上しました。

旅行業(JTB):AIチャットアプリで外国人をおもてなし

「JTB」は、日本各地で訪日外国人を中心とした旅行事業を展開しています。限られた人数のガイドが多くの訪日外国人に対応するのは負担が大きく、顧客満足度を上げにくいというのが課題でした。

そこで、「JAPAN Trip Navigator」という訪日外国人向けのガイドアプリを開発しました。このアプリを使うと、AIを搭載したチャットボットとの対話形式で観光スポットなどの情報を得ることが可能です。2021年1月現在、このアプリは100万を超える外人にダウンロドされており、レビュで4.2/5.0という高い評を受けています。

結果として、ガイドの負担を増やすことなく訪日外国人の顧客満足度を向上させることに成功しました。

保険業(住友生命保険):健康状態の測定システムにより保険料を調整可能に

「住友生命保険」は、生命保険サービスを提供している企業です。加入者によりさまざまである健康状態を保険料に反映させるのは難しく、顧客の不公平感を生みやすいという課題がありました。

そこで、「Vitality」という健康増進型の保険サービスを開発しました。Vitalityはスマートフォンアプリで心拍数や歩数を測定して健康状態を評価し、保険料を調整できるシステムです。結果として、不公平感の解消だけでなく加入者の健康意識を高めることにも成功し、保険の新しいスタイルを世に示しました。

小売業(ユナイテッド・スーパーマーケット):ネットスーパーを導入し、在宅の小売需要を獲得

「ユナイテッド・スーパーマーケット」は、首都圏にスーパーマーケットを多数展開している企業です。小売業では購入のために店舗に出向く必要があったり、レジで待たされたりする不便さが課題でした。

そこで取り組んだのが、自宅で商品の注文から受け取りまでをまとめて行える「U.S.M.H オンラインデリバリー」というアプリの開発です。その結果、小売業ならではの不便さを解消した上に、在宅の小売需要を獲得し売上を伸ばすことに成功しました。

デジタルトランスフォーメーション(DX)に成功した事例から見えるポイント

ここまでで、デジタルトランスフォーメーションに成功した事例を6件ご紹介しました。デジタルトランスフォーメーションに成功したどの事例を見ても、なんらかの課題が発端となっていることが分かります。また、どの事例についても「新しい価値」を提供することで顧客にプラスとなっていますよね。

まずは、企業が抱えている課題を洗い出すことが大切です。大きな課題であればあるほど、デジタルトランスフォーメーションによる費用対効果がより期待できます。そして、その課題を解決する方法を検討する際は、固定観念にとらわれてはいけません。

AIやIoTといったデジタル技術の進歩によって、ビジネスの可能性も大きく広がっています。「どうせ実現できないだろう」といった考えは、せっかくの可能性を狭めてしまいます。どんな奇抜なアイデアでも無駄にせず、「できる方法はあるはずだ」と実現方法を模索することが鍵といえるでしょう。

また、実現方法が分からず困ったらエキスパートに頼るのも1つの手です。弊社では、デジタルトランスフォーメーションに向けた業務効率化のサポートを行っています。デジタルトランスフォーメーションに成功した企業も少しずつ増えているので、企業のビジネスモデルを一新して利益拡大したい方は、まずお問い合わせください。

 

さて今回は、デジタルトランスフォーメーションの課題や事例、ポイントなど幅広くお伝えしました。内容を振り返りましょう。

・デジタルトランスフォーメーション(DX)とは、デジタル技術を活用することで企業のビジネスモデルやあり方を変革すること

・デジタルトランスフォーメーション(DX)を進める上で発生しがちな課題とその対策

 1.社員の理解を得られないこともある。その場合は社員にとってのメリットや最終目標を全社的に周知する

 2.企業の利益を優先し過ぎると、顧客離れのリスクも。その場合は顧客のメリットを考え、明確な形で提示する

・デジタルトランスフォーメーション(DX)に成功した企業の事例

 1.製造業(ミスミグループ):AIにより見積もりや発注を自動化

 2.農業(オプティム):IoTの導入で低農薬農法を可能に

 3.運輸業(日本交通):AIによる配車で稼働率アップ

 4.旅行業(JTB):AIチャットアプリで外国人をおもてなし

 5.保険業(住友生命保険):健康状態の測定システムにより保険料を調整可能に

 6.小売業(ユナイテッド・スーパーマーケット):ネットスーパーを導入し、在宅の小売需要を獲得

・デジタルトランスフォーメーション(DX)に成功した事例から見えるポイント

 1.まずは、企業が抱えている課題を洗い出す

 2.奇抜なアイデアでも無駄にせず、実現方法を模索する

 3.困ったらエキスパートに依頼する

このように、デジタルトランスフォーメーションはさまざまな分野で取り入れられており、成功事例も多いことが分かります。成功すれば企業にとっても顧客にとってもプラスになる魅力的な取り組みなので、ぜひ挑戦しましょう。

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