今必要とされている「デジタライゼーション」とは?その方法も解説

DX
 

IT活用の記事を読むと、ときどき「デジタライゼーション」という語がありますが、どんな意味なのか把握しておきたいですよね。

IT分野で使われる「デジタライゼーション」は英語の原意のとおりに素直に解釈してかまいません。ただ、現在の一般的なIT環境をさらに向上する意味で使われるため、特定の技術の活用や事業展開とセットで使われ、わかりにくいと感じている方もいるでしょう。

また、ほかにも、ITによる業務改善でよく目にする「デジタルトランスフォーメーション/DX」との違いは何かも気になる方もいるかもしれません。いずれにせよ、デジタライゼーションの意味をちゃんと理解しましょう。

そこで、今回はデジタライゼーションについてお伝えします。

デジタライゼーションとは

 

デジタライゼーションは「デジタル」の派生語で、「デジタル化する」という意味の動詞が名詞化したものです。つまりデジタライゼーションは「デジタル化」と同義で、すなわち「アナログ形式の情報をデジタル形式に変換すること」が原意です。

平たく言えば、デジタライゼーションとは、対象を限定せず何らかのモノやコトをデジタル化することです。実際に20世紀に誕生したコンピューターは、当初は計算処理をデジタル化するものでした。その後、文書の文字データによるデジタル化、そしてインターネットの登場で情報コミュニケーション手段のデジタル化が進んでいるのは皆さんもご存じのとおりです。

さらに定義するなら、デジタライゼーションとは特定の「技術」や「現象」を指すのではなく、「まだデジタル化されていないモノやコトのデジタル化」といえます。昨今は社会全体にITが浸透しつつありますが、まだまだデジタル化による効率化=デジタライゼーションの余地があり、企業はこぞってITシステムの活用に努めています。

デジタライゼーションとデジタルトランスフォーメーション(DX)の違い

 

ITを活用した業務効率化に興味のある方は、ここ最近「デジタルトランスフォーメーション(DX)」という言葉を目にすることが多いですよね。ここで、デジタライゼーションとDXの違いを解説しましょう。

デジタライゼーションとDXは、いずれも「デジタルに変化していくこと」を意味します。デジタライゼーションの元となる語は「デジタライズ(digitalize)」で、コンピューターが発明されるよりはるかに古い時代から存在します。一方DXは2004年に提唱された新しい概念で、その頃は携帯とインターネットが普及し、人々のコミュニケーション手段と行動様式がすでに変化していました。

この経緯から、デジタライゼーションは「現象」を示す比較的ニュートラルな語であるのに対して、DXには「画期的な・破壊的な変化」という強いニュアンスがあります。また、デジタライゼーションという言葉はコンピューター誕生前から存在することを示すように、人々への影響力については重視しません。それに対して、DXはデジタル技術が周囲にもたらすインパクトを重視し、影響度がそれほどでなければ他の語で置き換えられることが多いです。

今、デジタライゼーションが注目される理由とは

 

コンピューター黎明期の時代と違い、現在は数々のデジタライゼーションが一般企業から起こされており、「ビジネスのデジタライゼーション」こそが主流になっています。つまり、多くの企業にデジタライゼーションが注目されているのです。

そして、人材不足やBCP対策など、数々の社会的な課題に対応するためデジタル化を推進している企業も多いです。社会的に大きなインパクトを起こすことはありませんが、各々の企業がデジタルによる自動化、効率化、リスク回避・分散を試みたり、さまざまなIT技術を活用しようと努めています。

また現代はインターネットなど数々のITインフラが行きわたり、デジタライゼーションにより短期間に市場環境が大きく変化する可能性を常に秘めています。企業は現行のデジタル環境に追随し、近代的なITを装備しないと市場で十分に戦えない状況になりつつあるのです。デジタライゼーションの現象自体に本来好悪はありません。しかし、ここまでデジタライゼーションが注目されるようになったのは、企業が危機感を感じているからといえるでしょう。

デジタライゼーションの具体例

 

デジタライゼーションとは、未だデジタル化されていないものにIT技術を適用させることです。しかし、それではぼんやりとした概念にすぎず、実際のところ、具体的に何なのかをはっきりさせたいですよね。ここで、企業におけるデジタライゼーションの具体例を紹介しましょう。

ただし、企業によりデジタライゼーションの程度は異なるため、あくまで目安です。

  • ハードの整備
  • ソフト(システム)導入
  • データ化とデータ活用
  • バーチャル空間での作業

ハードの整備

ハードとは、パソコン・スマホといった端末だけでなく、インターネットの通信インフラも含みます。現在、連絡手段はメールが一般的なため、最低限のネット環境の整備は必要です。

ソフト(システム)導入

業務システムの導入によって、業務の効率化が進みます。属人的な業務プロセスを解消できれば、担当社員の異動や退職があっても業務を滞りなく進められます。

データ化とデータ活用

一般的に人々が想起するデジタライゼーションとは、紙の書類からデジタルファイルへの移行です。ただ、現在ではさまざまなシステムを連携したデータ共有や、業務プロセス全体の統合による効率化、省力化が実現しています。

この他にも企業内だけでなく、企業間のサプライチェーンのデジタル化による効率化を進めている事例、さらにビッグデータやAI、5Gの高速通信を活用した最先端のデータ活用の動きも見られます。デジタライゼーションにおけるデータ活用は、単なる書類のデータ化から企業間の連携、データ活用による事業創出にまで及んでおり今後も見逃せません。

バーチャル空間での作業

さらに進んだデジタライゼーションとして、業務を行う場そのものをバーチャル空間に移すという画期的な技術もあります。例えばAR(拡張現実)を使って、現実とバーチャルを組み合わせて業務効率化を測った事例も。最近は人の作業をバーチャルに代替するデジタルロボット、RPAなどもあります。

ほかにも、製造業では試作品の検証実験の代替として、試作データの「デジタルツイン」による各種シミュレーションの事例もあります。このようなシミュレーションは開発の精度とスピードを向上しただけでなく、試作品の製作コストと実作業の危険リスクを削減しています。

弊社でできるデジタライゼーションとは

 

IT分野は変化が激しく、何を選択してどう活用すればよいかは悩みますよね。弊社では企業のデジタライゼーション支援サービスを提供しています。

  • 企業のIT戦略の策定や施策立案の支援
  • IT導入プロジェクト全体のマネジメントのサポート
  • 業務に応じたシステムの設計・開発
  • 各種システムに対応可(基幹系、CRM、SCM、RPA、AI、IoTなど)

また、弊社では戦略的なITシステムの選定、活用のお手伝いをしています。ご興味のある方はお気軽にお問い合わせください。


 

さて、今回はデジタライゼーションについてお伝えしました。

デジタライゼーションの原意は「デジタル化」で対象を限定しません。古くは数値計算、後に書類処理や日常の連絡手段など、時代によってデジタル化の対象や程度はさまざま。最近目にする「DX」は周囲に与えるインパクトを示唆しますが、デジタライゼーションはニュートラルなニュアンスがあります。

現代のデジタライゼーションはハードウェアやソフトウェアのほか、データ活用、場の活用など、多層化・複雑化の様相を見せています。企業は最低限のIT実装をしないとビジネスの継続が危ぶまれる恐れもあります。しかし、IT分野は変化が激しく、自社にふさわしいITシステムの選定や活用に迷う場面も出てくるかもしれません。

そんなときは、IT専門の業務コンサルタントに相談してみることをおすすめします。自社に適した業務効率化や社内施策のアドバイスを受け、社員の負担を軽くし業績向上のきっかけをつかみましょう。

 

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