中小企業もDXに取り組むべき理由

DX

 

デジタルトランスフォーメーション(DX:Digital Transformation)と聞いて、巨大IT企業や大手メーカー、金融機関などを思い浮かべる人も多いでしょう。ところが中小企業もDXとは無縁ではありません。急速に社会のデジタル化が進む中で、事業そのものをトランスフォーム(組み替え)していかなければ、中小企業といえども生き残っていくことが難しいからです。DXが中小企業に何をもたらすのかを見ていきます。

DXは企業が生き残るためのカギ

IT専門調査会社IDC Japanは、企業が生き残るためには「DXを実装するデジタルイノベーションプラットフォームの構築において、開発者とイノベーターのコミュニティを創生」するとともに、クラウドやAIといったIT(情報技術)を強力に生かせるかどうかが成功のカギを握ると説いています。

IT投資に関しては、エンジニアやプログラマーなどを抱える大手とは違い、中小企業ではIT人材が不足しているため、外部のサービスを活用することが一般的です。そこで毎年いくらかの費用を払いながらITサービスを利用していくことになります。

ただ、日本企業のIT投資には課題もあります。経済産業省によると、日本では「IT関連費用のうち8割以上が既存システムの運用・保守に充てられている」といいます。さらに、「新しいデジタル技術を導入して、新たなビジネスモデルを創出するためには、IT投資における『攻めのIT投資』を重点化する必要がある」(同省)としています。

JUASの「企業IT動向調査報告書2017」によると、日本企業のIT関連予算の80%は現行ビジネスの維持・運営(ラン・ザ・ビジネス)に割り当ています。さらに、こうした維持・運営のための予算が90%以上を占める企業も4割超に上ります。

維持・運営のための予算が9割以上を占めるというのは、「新たな付加価値を生み出すために必要なIT戦略に対して、資金・人材を十分に振り向けられていない」(同調査より)ということを意味します。DXは、コスト削減や効率化だけでなく、事業変革や新たな価値創造など「攻め」に力を発揮してこそ、意味を持ちます。

中小企業がデジタル化をうまく活用している例

日本商工会議所の※「中小企業の『付加価値向上』のためのクラウド普及」(2019年10月10日)には、中小企業によるデジタル化の事例が載っているのでご紹介します。

【事例1 両国屋豆腐店】

・紙伝票の事務作業をクラウドで自動化

・1日2時間の経理事務を30分に(年間で600時間削減)

・営業強化とキャッシュレス対応で新規顧客を獲得

【事例2 ベジアーツ】

・多拠点に散らばる農場のレタスの生育データ把握が課題

・クラウドやスマホでいつでもどこでもデータを集約、収穫時期を決定

・レタスを収穫する人員を効率的に配置

【事例3 中小企業が使いやすいクラウド導入支援 つづく(株)】

・困りごとを聞き、必要なカイゼン業務を洗い出す(課題の明確化)

・業務を軽減するクラウドサービス

先に挙げた事例にもあるように、はじめに自社の課題を整理したうえで、各社の方針に則ってクラウドサービスを活用していることが分かります。

※参照元:https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/kenkyukai/smartsme/2019/191010smartsme010.pdf

RPAを攻めの経営に生かす

クラウドサービスの活用とともに、社内で人手がかかるメールの自動返信や伝票の自動入力といった単純作業の繰り返しを、自動化する技術もあります。RPA(Robotic Process Automation、ロボティック・プロセス・オートメーション)という概念です。

これまで人がパソコンで行っていたデータの入力や抽出作業などを、サーバー上で動くソフトウエアロボットが代行するものです。ある企業では営業担当者50人の交通費のチェックを、毎月経理の担当者が1人当たり3分合計150分(2時間半)かけてやっていました。この交通費のチェックをRPAに置き換えたら、わずか数秒で終わるようになったという劇的な業務改善例もあります。

RPAは大きく、「クライアント型」「サーバー型」「クラウド型」と三つの類型があります。中小企業は初めてRPAを導入する際に最もハードルが低いのが、クライアント型です。クライアントと型というのは、企業などのパソコン内で動作するタイプです。

原則的に、自動化を行う作業はそれぞれのパソコン上で行うものに限られるため、ある特定の業務を自動化したい場合に向いています。このため中小企業でも低コストにRPAを導入することが可能です。

また、クラウド型も比較的低コストで導入でき、異なるソフトウエアをまたいで作業させることもできます。クライアント型よりも、クラウド型の方がより広範囲で高度な処理が行えると言えるでしょう。

【まとめ】

ここまで中小企業にもDXが必要な理由や、クラウドサービスやRPAの有効性をご紹介してきました。特にRPAによる自動化は、事務作業に追われていた人々をルーティーンワークから解放。製品やサービスの改善や、新規顧客の開拓といった「攻め」に人員を振り向けられるという効果も期待できることが分かました。

とはいえ、実際にどうやってRPAを導入するにあたってはまだまだ不安なこともあるでしょう。まずはRPAについて少しでも興味がある・・・という場合はぜひ弊社にお問い合わせください。

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