近年の社会のデジタル化は著しく、スマホやインターネットを使う前とは生活様式が大きく変化したと感じている人も多いですよね。業務のデジタル化=デジタル変革の必要性を感じていたり、今まさに変革の真っ只中にあると感じている社員の方もいらっしゃるはず。
ほかにも、自社にデジタル変革がそこまで必要なのか、はっきり確信が持てない方もいるかもしれません。デジタル変革というと仰々しい感じがしますが、IT技術を活用した省力化やコスト削減など、業務効率化につながる活動のことを指します。さらに企業にデジタル変革を起こすと、業務を効率化して残業を減らせる効果もあるとのこと。
そこで、今回は企業のデジタル変革について説明します。デジタル変革の概要やその効果、企業事例も合わせて紹介するので、自社のIT推進の参考にぜひお役立てましょう。
デジタル変革とは
デジタル変革(DX/デジタルトランスフォーメーション)とは、IT通信技術により、社会のありように大きな変化がもたらされることです。インターネットやスマホの普及により、人々のコミュニケーション様式や獲得できる情報量が大きく変化しました。
企業におけるデジタル変革の例をあげると、インターネットを利用した新しい市場の創出、デジタル技術を活用した業務プロセスの改善があります。これにより、売上やシェアの向上、生産性の向上が実現しています。ただし、デジタル技術を活用しその果実を手にするには、ソフトや設備をただ導入するのではなく、運用体制の整備など、しっかりした準備が必要になるでしょう。
なぜ今、企業のデジタル変革が必要なのか
企業のデジタル変革が必要な主な理由は以下のとおりです。
- デジタル技術の普及
- 老朽システムの弊害
- 社会情勢の変化に対応
次の項目でそれぞれ簡単に説明します。
デジタル技術の普及
社内ではデジタル化の必要性をまったく感じていなくても、社外対応のためデジタル移行を迫られることがよくあります。また、先方から特別に話がなくても、便利なデジタルツールに慣れてしまい、デジタルに未対応の企業とは疎遠になることもあります。
デジタル化に取り残されて、事業が先細りになるのは避けたいですよね。同業他社や取引先の多くが使うデジタルツールにはなるべく対応する「デジタル変革」が必要です。
老朽システムの弊害
自社ではすでにデジタル化やシステム対応が済んでいるという企業もあるでしょう。ただ、古いシステムの場合、現行の業務プロセスやIT環境にそぐわなくなることも。このような場合は、システム更改を含めたデジタル変革が必要になります。
今ではシステム連携によるデータの自動投入やリアルタイム同期、最適化は普通になってきています。たとえばWindows 7でないと動作しない業務ソフトでは、セキュリティの関係上、システム連携による効率化の恩恵は受けられません。
また、老朽化したシステムはコスト高になります。古いシステムを扱える人材は貴重でメンテナンスコストがかかります。いずれベンダーのサポート対象外になったら、日常業務にも差し障るかもしれません。
社会情勢の変化に対応
国内ひいては世界的な社会情勢に影響を受けて、いやおうなくデジタル変革を迫られることもあります。特に少子高齢化による深刻な人材不足対策としてITシステムによる効率化は急務ですよね。また、時代の流れによって生活と働き方の変化に対応するため、デジタル環境を整備せざるを得ない企業も多いでしょう。
デジタル変革による効果とは
自社のデジタル環境をアップデートする「デジタル変革」が実現できれば、以下のような効果が期待できます。
- 業務効率化
- デジタルコストの最適化
- 業務効率化:システム連携や自動化、AIを活用した効率化が可能
- デジタルコストの最適化:クラウドによる適時適量の調達と支払い制
業務効率化
自社のデジタル環境を整備することで、業務プロセスの最適化や生産性向上といった業務効率化が期待できます。最新のデジタルツールはシステム連携や自動化機能、AIを搭載し、省力化や高速で高精度な処理が可能だからです。
もしもまだデジタル環境を近代化しきれていない企業なら、その効果も大きく感じられるでに違いありません。
デジタルコストの最適化
デジタル変革の一つの手段として、利用コストの最適化があります。最新のクラウド型サービスはサブスクリプション制で、必要に応じてツールや利用者の追加、停止が柔軟にでき、コストを最適化できます。しかも、設備の維持やセキュリティ対策、システム更新など、手間のかかる運用コストもすべて込みなのでお得です。
企業にデジタル変革をもたらした事例
次に、事例を通して企業のデジタル変革とは何か、どう効率化されるのかを説明します。デジタル変革の具体的なイメージは、ぜひここでつかみましょう。
膨大なExcelファイルから脱却し生産性が倍に
造園業のグリーンライフ産業株式会社は、以前は複数のシステムを併用していました。クラウドの顧客管理ソフトや、図面やり取りの業界専用ソフト、また見積りからアフターサービスまで処理する50タブ以上の巨大なExcelファイルに頼っていたとのこと。同社は特にExcelファイルのセキュリティと動作の不安定さを問題視、安定運用できる統合基幹システムへの移管を検討するに至ります。
Excelファイルのセキュリティ問題は、社員個々にアカウントを用意し、必要な情報のみアクセスする権限管理を実施することで解消します。また、基幹システムで案件や物件ごとに情報を紐づけて管理することで、全社的な情報の一元管理が可能になりました。さらに、営業部門の見込み客情報の共有が可能になり、設計業務の最適化も実現しました。
ほかにも、基幹システムによる標準化で現場の工事部門が事務から解放され、専任の事務員に任すことで業務効率が実質2倍になりました。つまり、工事部門の社員がどんどん現場に出やすくなり、以前は月間3,000万円までだった案件受注が、今では月間5,000万円以上を施工できるようになったのです。
現状、Excelをデータベースとして活用している企業もあるでしょう。しかし、規模の拡大により、Excelによる処理とメンテンナンスが困難になるケースがあります。Excelに限らず、現行のデジタル環境が自社の業務規模に合っていないと、それがネックになって飛躍の妨げになってしまうことも。自社で判断がつかない場合、ITコンサルタントや業務コンサルタントに調査・分析を依頼するのも一つの手です。
企業がデジタル変革を推進する際に注意したいポイント
デジタル変革の実現は、多くの従業員の仕事のやり方やその環境を変えることになりますよね。デジタル変革に取り組むにあたっては、最低限以下の2つに注意しましょう。
- 手段を目的化しない
- 大局観を持ちつつ、スタートは小さく
- 手段を目的化しない:システム導入は自社戦略の実現手段
- 大局観とスモールスタート:改革の端緒は小さく始めると成功しやすい
手段を目的化しない
デジタル変革においては、新しいデジタルツールの導入や業務プロセスの変更が迫られます。デジタル環境がまだ整っていない企業であれば、新システムへの安全な移行が最大の目的となるでしょう。
しかし、企業によっては自社戦略をかなえるため、デジタル変革を選択しています。システム導入ありきではなく、長期的な視野に立ってシステムやツールを厳選し、適切な業務体制を確立しなくてはなりません。
大局観を持ちつつ、スタートは小さく
デジタル変革が必要であっても、従業員にこれまでの仕事のやり方や環境変化を強いるのは大きな負担です。社内の混乱や摩擦をできるだけ少なくするためにも、まず一部の部門や業務に限ったパイロット運用を行い、徐々に全社展開を図り成功に導きましょう。
さて、今回は企業のデジタル変革について説明しました。
デジタル変革とは本来、IT技術の進歩が社会や市場の変化を生み出すことで、企業はそれに適応が必要です。企業にとりデジタル環境の整備は急務であり、老朽システムの更改や、社会情勢への対応が迫られています。
【デジタル変革で期待できる効果】
- 業務効率化:システム連携や自動化、AIを活用した効率化が可能
- デジタルコストの最適化:クラウドによる適時適量の調達と支払い制
【注意したいポイント】
- 手段を目的化しない:システム導入は自社戦略の実現手段
- 大局観とスモールスタート:改革の端緒は小さく始めると成功しやすい
「デジタル変革」というと身構えてしまいがち。実際は規模に見合わないデジタル環境が企業の成長や生産性を阻害していることがあります。ほかにもコスト削減や人材不足を解決するため、新しいIT技術を取り入れるのも一つの方法です。
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